運動して痩せる

運動して痩せる

運動を続けなければ、体脂肪は減らない

 

肥満は、摂取エネルギーが消費エネルギーを超えてしまった結果です。

 

摂取エネルギーを減らして消費エネルギーを増やせばやせられますが、そのためには運動など身体を積極的に動かすしかありません。ダイエットによって減らさなければいけない体脂肪は、身体を動かさなければなかなか減らないやっかいなものなのです。

 

それも、ちょっと運動をしたぐらいで体脂肪がみるみる減るということはありません。30分間ゆっくり走ったとしても、大福一個分のエネルギーを消費できるかどうかといったところです。

 

脂肪組織にたまった体脂肪一キロを減らすには7000キロカロリーが必要で、現在の成人男性の一日の平均摂取量は約2000キロカロリーですから、計算上はおよそ三日は絶食しなければ減らすことはできません。

 

ましてや、一週間で5〜10キロの体脂肪を減らすのは不可能なことです。お手軽な減量をうたい文句にしているダイエットも、そのほとんどが便秘を解消したり、体水分を減らして、一時的にやせたように見せかけているだけで、肝心の体脂肪が減ったわけではありません。

 

体脂肪は、身体に酸素をとり入れる有酸素運動(エアロビクス)によって熱エネルギーヘの変換をよくすることで、持続的に減らすことができます。

 

即効性やインパクトのある安易なダイエットに手を出すのは、時間とお金が無駄になるだけです。

 

少し時間はかかっても、確実に成功するダイエットに本気でとり組むことが大切です。

 

「歩く」「走る」がオススメ

 

ひと口に運動といっても、さまざまです。その中で、とくに歩くことや走ることをおすすめしたいです。その理由は二つあります。

 

一つは、いずれも足を交互に動かすだけですので、いつでも、どこででも行えることにあります。もう一つは、体内に多量に酸素をとり入れるという、心肺機能を高める有酸素運動であることです。

 

歩くことや走ることは、ごく日常的な行為です。スポーツクラブやスクールに通って技術を身につける必要もありませんし、楽しめるようになるまで時間はかかりません。

 

ダイエットを目的とするならば、歩くことも走ることも、ある程度の強度があったほうが効果的ですが、急激に脈拍を上げるようなペースで行うと、命を落としかねません。とくに太っている人は身体に負荷がかかりやすく、60歳以上の4割の人がなんらかの病気
をもっているために、過激な運動は生命の危険性を高めてしまうおそれがあります。

 

2007年、当時47歳の男性が、「メタボ撲滅作戦」をはじめて一ヶ月後、ジョギング中に心筋梗塞で突然死したことが報道されました。その男性は、身長175センチ、体重82キロ、ウエストサイズ100センチでした。当初、三ヶ月でウェストサイズを10センチ減らすことを目標にしていましたが、ペースが急激すぎるということで、三ヶ月で4センチ減、体重4キロ減に修正された矢先の悲劇でした。

 

このことを教訓として、これからメタボ対策を行おうとする人は、運動をはじめる前にはきちんとメディカルチェックを受け、内科的疾患や整形外科的疾患があるかないかを確認したうえで、医師から適切な指導を受けることが大切です。ウォーミングアップやアフターケアをおろそかにせず、事故にも注意して安全に行うことを心がけます。

 

適切なペースでの歩きや走りであれば、心身へのすばらしい効果があります。糖尿病、高血圧症、脂質異常症といった生活習慣病を予防し、症状を改善できます。心肺機能が強化されることで、全身に持久力がつき、とくに心臓病の危険因子を減らすことができます。

 

腰や膝などの関節痛、肩こりなどをやわらげ、その予防もしてくれます。骨粗鬆症の予防にもなります。体力をつけるだけでなく、体力が衰えにくくなります。

 

日々、歩いたり走ったりすることが習慣になれば、規則的に食事をとるようになり、適度な疲労により休養もしっかりととるようになります。そうすれば、運動、食事、休養の生活習慣全体によい影響を与えるようになるのです。

 

運動をすれば、つらい壁は乗り越えやすい

 

多くの人がダイエットに挫折してしまうのは、体重がほとんど減らずに数値がとどまってしまう時期、はじめてから二、三ヶ月ごろといわれます。

 

この時期に体重が減らなくなったのは、身体が生命の危機を感じて「適応」を起こしたからです。食事を制限するだけのダイエットで摂取エネルギーが減ったことに合わせて、消費エネルギーを減らそうとしたのです。

 

この現象は、摂取エネルギーの減り具合が極端なほど強くあらわれます。

 

しかし、食事の制限だけでなく運動を併せて行うと、脂肪をつくりにくい代謝に変えることができてダイエットの効果が出やすい身体になり、「適応」というつらい壁を乗り越えやすくなります。

 

ダイエットを成功させるには、運動は欠かせないのです。