ホエイでデブ菌を減らす

ホエイでデブ菌を減らす

ホエイでデブ菌を減らす

 

「ダイエットのために」「腸の健康のために」と、毎日ヨーグルトを食べている人がいますね。

 

でも、痩身や便通をよくするためにヨーグルトを食べるならば、もっと効率的な方法があります。それは、ヨーグルトの上澄みだけを飲むことです。

 

ヨーグルトは購入後、日がたってくると、表面に透明の上澄み液が出てきます。これを「ホエイ(乳清)」といいます。

 

ホエイは、腸を元気にして健康的にやせる最良のドリンクです。「上澄み液は捨ててしまう」という人もいますが、こんなにもったいないことはありません。

 

ヨーグルトには、健康によい面がある一方、デブ菌の好きな脂肪分を含んでいるという難点もあります。しかし、ホエイには脂肪分かありません。ホエイは、ヨーグルトの白い部分、すなわち乳脂肪分がすべて除かれている液体だからです。ですから、非常にヘルシーです。

 

さらに、私たちの細胞の原材料になるたんぱく質が豊富です。しかも、ホエイのたんぱく質には、「インクレチン」というホルモンの分泌をうながす作用があるのです。

 

インクレチンは別名を「やせホルモン」といいます。太りにくい体づくりに重要なホルモンでもあるのです。

 

「やせホルモン」で痩せる

 

やせホルモンは、小腸でつくられ、小腸で働きます。

 

ご飯やパン、麺類、砂糖などの炭水化物には、ブドウ糖が豊富です。ブドウ糖は腸から吸収されると、身体各所の細胞に届けられ、エネルギーに変換されます。

 

一方で、細胞で消費されなかったブドウ糖は、脂肪につくりかえられ、脂肪細胞に蓄えられます。それがぜい肉となって、人を太らせるのです。

 

やせホルモンは、この悪循環を断ち切ってくれます。

 

やせホルモンには、食べたものが胃から小腸へと送られる速度を抑えて、小腸での吸収をゆるやかに抑える働きがあるのです。この状態になると、血液中にブドウ糖がいっきに放出されずにすむことになり、ブドウ糖が脂肪へと変換される効率が低くなるため太りにくくなるのです。

 

糖尿病にもホエイが効く

 

腸から吸収されたブドウ糖が血液中を流れ、細胞にとり込まれる際、インスリンというホルモンが働きます。このインスリンの分泌量が減ったり、働きが悪くなったりすると、起こってくるのが「糖尿病」です。

 

生活習慣病の一種として生じる糖尿病は、ブドウ糖の過剰摂取や、血糖値の急上昇、肥満などの状態が長く続いたり、くり返されたりすると起こってきます。そうした状態がインスリンの分泌を滯らせ、働きを悪化させてしまうのです。

 

しかし、やせホルモンであるインクレチンが体内できちんと働いていると、ブドウ糖が過剰に体内を巡らずにすみ、肥満も解消されます。こうなるとインスリンに過度の負担をかけることがなくなり、働きが活性化します。つまり、糖尿病の予防と改善には、やせホルモンの働きが重要なのです。

 

なお、インスリンは膵臓から分泌されます。膵臓の機能が弱ることでも、インスリンの状態は悪化します。ここでもまた、やせホルモンが働きます。膵臓の細胞を強化して、インスリンが効率よく分泌されるよううながす作用があるからです。

 

インスリンがしっかりと働いてくれれば、血液中のブドウ糖は細胞に速やかにとり込まれ、エネルギー源として消費されます。このとき、やせホルモンが小腸で働いていれば、小腸からのブドウ糖の吸収がゆるやかになります。すると、体はエネルギー不足に陥ります。その際、最初にエネルギー源として使われるのは、ウェストまわりなどについた脂肪です。

 

食事からのブドウ糖が不足すれば、体に蓄えられた脂肪が燃焼され、無駄な脂肪を減らすことができるのです。

 

こんなにすごいやせホルモンの分泌をうながす働きがホエイにはあります。ホエイを毎日飲むことで、やせやすい体づくりを行っていけるのです。

 

ホエイの作り方

 

それでは、ホエイのつくり方を紹介しましょう。といっても、方法はとても簡単。料理をしたことのない男性でも子どもでも簡単につくれます。

 

具体的には、ヨーグルトをコーヒーを淹れるときに使うペーパーフィルターでこせばよいだけです。夜寝る前にセッティングしておけば、翌朝にはたっぷりのホエイを飲むことができます。

 

ホエイは、そのまま飲むのがいちばんです。サラッとしているので、ヨーグルトドリンクなどよりも飲みやすいでしょう。私はホエイを朝、飲みます。さわやかな酸味が腸をスッキリと目覚めさせてくれます。

 

甘みがほしい人は、ハチミツやテンサイ糖、メープルシロップを加えてください。いずれもオリゴ糖を豊富に含みます。オリゴ糖は、乳酸菌やビフィズス菌の大好物です。毎日、オリゴ糖をとることで、腸内環境を善玉菌優位に保てます。

 

白砂糖は使わないようにしましょう。白砂糖はブドウ糖が豊富であるうえ、白く精製されているため、腸からの吸収が速い性質があります。せっかくホエイで「やせホルモン」を増やしても、それを上回るブドウ糖を体に入れてしまっては、効果を十分に得られなくなってしまいます。

 

私は、起床後に疲労がとれていないと感じると、ホエイにハチミツを加え、炭酸水で割って飮んでいます。

 

炭酸水には、毛細血管を拡張して血流量を増やす働きがあり、疲労回復によい飲み物なのです。そこにホエイとハチミツで腸を整えてあげれば、疲労回復にも最強のドリンクとなるでしょう。

 

また、ホエイを使っておいしいドレッシングもつくれます。アマニ油やエクストラーヴァージン・オリーブオイルなど良質な油を加え、塩コショウで味を調えれば、さわやかなドレッシングができあがります。

 

「ホエイをつくるのはめんどう」という人は、プレーンヨーグルトを購入後、―週間ほど冷蔵庫に入れっぱなしにしておいてください。すると、表面にホエイが湧き出してきています。それをスプーンですくって飲むだけでもよいでしょう。

 

ヨーグルトはプレーンタイプを使う

 

最近は、さまざまな機能をうたうヨーグルトが売られていますが、ホエイをつくるならば、原材料が生乳だけのプレーンタイプであれば、銘柄はなんでもよいでしょう。

 

わざわざ高いヨーグルトを買う必要はありません。値段が高いと続けるのをためらうことにもなるでしょう。小さなカップに入った高機能で高価なヨーグルトを買うよりも、原材料が生乳だけの大きなパックをおすすめします。ホエイをたっぷりつくれるからです。400グラム以上の大きなパックのものを買えば、グラス1杯分のホエイをつくれます。

 

ビフィズス菌や乳酸菌というのは総称であり、種類はさまざまです。種類によって腸内での働き方も違っています。高機能のヨーグルトには、特別に培養された健康効果の高い善玉菌が生きています。それを摂取すれば、その効果を得られるような気もしてきます。

 

しかし、そうでもないのです。第一に、ビフィズス菌や乳酸菌は、ほとんどが胃酸に弱く、腸に届く前に死んでしまいます。そこで、最近では「菌が生きて腸まで届く」という特別感をうたったヨーグルトが人気です。でも、菌は生きて腸まで届かなくてもよいのです。

 

私たちの腸には、生後1年の間にすみついた乳酸菌やビフィズス菌である「マイ善玉菌」が生きています。生後1年を過ぎると、新たに入ってきたものがどんなに素晴らしい乳酸菌であっても、あなたの腸と相性があわなければ、3〜7日で排泄されてしまう
のです。

 

菌は生きて腸に届かなければならない?

 

ビフィズス菌や乳酸菌が腸まで届かず、届いたとしても腸にすみつくことがないのだとしたら、ヨーグルトを食べる意味はどこにあるのでしょうか。

 

もっとも大事なのは、乳酸菌群がいた溶液です。マイ善玉菌の仲間の菌を育てた溶液は、腸に入ってくると、今度はマイ善玉菌の非常によいエサとなるのです。

 

腸は、私たちの健康の要です。腸が影響する病気は、脳から心臓、血液、血管にいたるまであらゆる部位に及びます。それは、腸が免疫力の7割をつくっているからでもあります。

 

免疫とは、一言でいえば、病気を防ぎ、あるいは治し、私たちの体と心の健康を増進するシステムのことです。

 

その免疫力を増強させる力が腸内細菌にはあります。そして、善玉菌が腸内環境をリードしている状態こそが、人の免疫力をもっとも活性化させる方向に導きます。

 

そうだとするならば、大事なのは、「マイ善玉菌をいかに育てるか」です。マイ善玉菌の仲間がすんでいたヨーグルトは、マイ善玉菌にとっても最良のエサなのです。

 

しかも、ヨーグルトにいた菌の死がいには、マイ善玉菌を刺激し、活動力を高める作用があります。ここも細菌のすごいところです。菌は、自分が死んだのちも、死がいから仲間の菌を活性化させる因子をしばらく出しているのです。

 

やせ菌を増やす

 

腸内細菌叢の組成は、人の指紋と同じように、個人の識別が可能なほど一人ひとり違つています。さらに驚くのが、生後1年のうちに腸内細菌叢の組成はできあがり、それが生涯を通して変わらないということです。

 

では、腸内細菌叢の組成は変わらないのに、善玉菌の活動力が悪玉菌を上回ると体調がよくなり、悪玉菌の活動力が高まると体調が悪くなるのは、なぜでしょうか。

 

それは、個々人の腸内細菌叢の組成は、一生変わらないけれど、数と勢力図は日々変わっているからです。その鍵は、日和見菌が握っています。

 

日和見菌には、自分の周囲にいる菌や腸内の環境によって働きを変化させるという、名前のとおりの日和見主義な性質があります。

 

善玉菌の数が少し増えると、腸内細菌の最大勢力である日和見菌がなだれをうって善玉菌に協力します。反対に、悪玉菌が少し増えると、今度は日和見菌がいっせいに悪玉菌に協力します。その中でも、善玉菌はヤセ菌を元気にし、悪玉菌はデブ菌を元気にする傾向があります。

 

つまり、私たちがマイ善玉菌を大事に育ててあげれば、ヤセ菌の勢力図が拡大し、やせ体質になれるのです。

 

そんな腸内細菌の勢力図を変えるのは、あなた自身です。あなたが毎日口にするものが、日和見菌の動向を変えるのです。

 

その変化のスピードは意外にも速いものです。食事を変えるだけで24時間以内に変化が起こってくることがわかっています。

 

そして2週間ホエイを飲み続ければ、マイ善玉菌とヤセ菌が優位な腸内環境にほぼ切り替わってくることでしょう。まずは2週間、ホエイを飲んでみてください。

 

ホエイは食事の前に飲む

 

ヨーグルトと乳酸菌飲料の市場規模は年々拡大し、すでに5000億円を超えています。いかに日本人に支持されている食品かがわかります。ただし、ヨーグルトがすべての人を健康にするわけではないことも知っておいてください。

 

たとえば肥満体の人は、ほどほどに食べるのはよいとしても、400グラムの大パックを1日で食べてしまうようなことはしないほうがよいでしょう。脂肪分が多いため、それを好むデブ菌のエサになりやすいからです。

 

こうした人にこそ、ホエイがおすすめです。乳脂肪はヨーグルトの白い部分に多く含まれます。それをとり除いたホエイは、脂肪分もエネルギー量も大幅にカットされます。一方では、やせホルモンをつくる良質なたんぱく質、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどの栄養素が豊富に含まれています。

 

だからといって、ホエイをとり除いた白い部分を捨ててしまうのは、もったいないことです。ヨーグルトの水分をしっかり切っているので、クリームチーズのような濃厚なヨーグルトができあがります。とてもおいしいこの部分は、お子さんなどの栄養が必要な家族に食べてもらってはどうでしょうか。そして、体重が落ちたのちには、ときおり楽しむとよいと思います。

 

ちなみに、わが家もホエイを飲むのは私の役目、濃厚ヨーグルトのおいしい部分を食べるのは痩せ気味な家族の役目と分担ができております。

 

なお、ホエイはどのタイミングで飲むのが効果的でしょうか。

 

それは、食事の前です。「やせホルモン」は、ブドウ糖の吸収を抑える働きを持っています。だからこそ、ホエイを食前に飲んでおき、これから腸に入ってくるブドウ糖を待ち構えておきたいのです。

 

食後、ブドウ糖が体に吸収されたあとで飲んでも効果は半減してしまいます。食前にホエイを飲み、やせホルモンをつくりやすい環境に腸を整えておくことが大切なのです。